終活の研究①幸島のサル

とりあえず思いついたのが大分県高崎山のサルたちだ。それはこのブログの5月28日に書いた。その時の気分が不十分だったので、幸島のサルを見に行くことにした。こちらには「京都大学野生動物研究センター 幸島観察所」がある。連絡を取って、其処の方に話を聞いた。ここはサツマイモを洗って食べるという「文化的活動をするサル」ということで、世界的に有名になったところだ。  
島の対岸にある観察所には一人職員がおられ、「観察と世話」をしている。それは観察記録を取り続けることと、エサやりだ。飼育すると野生が失われるので、週2〜3回大麦を撒いているだけだ。サルの主たる食料は、山の木の葉や木の実などだ。
私の行った6月6日には、「専門はチンパンジーなんですが」という大学院生もいて、彼は2〜3日この島に泊まるといっていた。
個々のサルは100匹ぐらいで、「島嶼化」のせいで、高崎山よりも少し小ぶりだった。彼らの交尾期は12月から2月ぐらいなので、今出産期に差し掛かっていた。サルの子供たちは、次の子供が生まれると自立しなければならんので、満1才〜2才で自立することになる。その子供たちが、撒かれた麦を、砂と混じってつかみにくいので、一掴みを水のある所へ持って行って、浮かんでくる麦を上手につまんで食べていた。大人より要領が良い。
彼らの終活は、力がなくなったら、山の中にいて、近くの木の葉っぱなどを食うだけで、浜まで降りてこない。
京大の観察所では、死んだサルは標本としているが、その骨格標本記録を始めてからの年月で考えると、今まで500匹ぐらいが亡くなっているはずだが、標本にできているのは50体ぐらいだといっていた。つまり、山を探しても発見されにくいところで亡くなっているサルが9割だということだった。
周囲3.5キロで、32ヘクタールぐらいだから、現在の100匹が限界だろう。隠れるところがたくさんあるわけではない。