幸島のサル、麦を食べる仮説と行動

幸島のサルが麦を食べるということが、テレビで放送されていたということを聞いたので、もしやと思ってグーグルで検索してみた。その中で最も分かりやすいのが串間市市木小学校の記事だった。

イモを洗って食べる行動
1才半くらいのメスの子ザルが、サツマイモを小川(わき水)で転がして遊んでいたことから、砂やどろが落ちてきれいに食べられることを発明しました。
 『イモ洗い』を発見したサルには『イモ』という名前がつけられました。
 この『イモ洗い』の行動が、他のサルたち(仲間)にも伝わり、兄弟や子どもから母親へと伝わっていきました。
 先日、幸島へ行きました。
このサルは、まかれた麦を拾ってきて、水たまり(塩水)に入れて、麦を洗って食べて いました。
 このような食べ方で食べていたサルが数ひきいました。
 麦を水につけながら、塩味をつけて食べることを楽しんでいるようでした。
 塩味をつけると、おいしいのかな?
 このような行動は、サルが頭を使ってやっていることなのだそうです。
 幸島のサルは、この他にも見よう見まねで新しい行動をはじめています。
 ○ 海に入って泳ぐ。(海の中にもぐる。)
 ○ イモや麦を海水につけて食べる。(塩味にする。)
 ○ 上手に洗って食べる。
 ○ 魚をつかまえて食べたり、貝を拾って食べたりする。

この記事では、麦をサツマイモの塩水で洗うことと同じに、塩味を付けるとみていますが、私の見たときは(160606)、山から流れてくる少量の水の流れ(真水)に浮かせて、砂まみれでない麦を食べる行動でした。
その時の2匹の子ザルは、砂にまみれた麦を攫ってきて、水の上に撒き、1粒ずつ手早く拾って口へ運んでいた。この時の子ザルの“仮説”は、「①これは水に浮く、②砂にまかれている麦を砂まみれのまま攫ってきて撒くと麦が浮いて砂と分けられる、③砂まみれでない麦の方が食べやすい、④麦だけ食べよう」という態度だった。
最初1匹がそれをすると、もう1匹も同じ行動をとり、2〜3回繰り返した。その時、隣の大人ザルは、それを見習わずに、砂がついたままの麦を口に運んで食べていた。大人ザルには、仮説─実行─仮説─という知的行動は見られなかった(160606)。