[じねん」生きているかたちと死のかたち

「死のかたち」について、人間と他の動物ではどう違うのか、ということに関心を持っている。大体人間の場合は、自立した生命維持活動が出来なくなっていても、家庭で、病院で食事を与えられ(前者を家畜、後者を院畜とでもいうのかな)、不自然に延命措置が取られている。
少し気になったので、人類の先輩格に当たると思っている(私の思い込み)サルの様子を見に行った。九州で行きやすいのは大分県高崎山と宮崎県の幸島だ。彼らは自立して生きようとしているので、自分の体力で山へ帰れないと思えたら、もうエサ場へは出てこないようだ。
言い替えれば、彼らは「自律死」をしているわけだ。彼らは「オイラは家畜ではないぞ」と言っているわけだ(少し言い訳をすると、高崎山では猛烈な家畜化プレッシャーが役所なのか運営団体なのか、からかかっているようだった)。幸島は相当に健全だと思った。ところで、人間の「自律死」ということを考えられないだろうか。