突然、一羽も雀が来なくなった。(久里洋二)

「3時前に大地震!雀は探知して逃げてしまっていたのだ。敏感な雀は、地震の予報士だったのだ!これからは雀を観察して地震を予測しよう。」
「いつも来る100羽近い雀が、3月11日には1羽も現れなかった。……地震を予知してどこかへ逃げていてのです。」
「東京の一部が停電になるそうだが、電話もプッシュホンができなくなってしまうのかな。ぼくのアトリエは、ダイヤル式の旧式電話を使っているので大丈夫です。ぼくは福井で空襲に遭い、そして昭和23年6月に福井地震にあい、子供の時は雪崩に遭遇し、水害にもあって、夏には落雷にも遭っている。ずっと災難男です。」
「あああ、何で涙が出てくるの。すべてぼくが昔に経験したのと同じ出来事が、目の前に現れている。……」
「83才のぼくは涙もろいのです。……」(「ボクのつぶやき自伝」より)
久里洋二は昭和3年の生まれです。私より8才年上です。さすがに迫力のある経歴だ。とはいえ、昔の日本人類は、似た経験をしています。
東日本大震災以後、「大変だ,かわいそうだ、ミゾユウだ、国の責任だ、国は早くなんとかせよ」の大合唱だ。
実際、日本人は戦争の時や、戦後、荒らされた全国土がさらに“地震、雷、火事”で荒れていった時期の苦しみを知っている。その中で再建してきた。
物心が付いて以後、豊かになることだけ経験してきて人間が、テレビに出てきて、したり顔で「国は東北に人たちを、早くなんとかせよ」というヤツは見たくない。
云うなら、ついでに、「日本人は税金を上げて、もっと節約せよ」と言え。消費拡大で景気が良くなった国は、詐欺国家(帝国主義国家)以外にない。