サッカーの“個の力”論は破たんしている

ホーチミンで、朝の散歩で、猛烈なバイクの洪水に圧倒され、少し落ち着いた頃朝ごはんの「フォー」を食べながら、サッカーを見た。
日本で第一試合を見た時から、とくに最初の失点を見た時、コンビネーション以外の武器はないと思った。日本人と他の国の選手のキックの強さを見たら、コンビで網を張って、遮二無二前へボールを進める以外の戦法はないと思う。
実は、1997年だったか、サッカー日本代表の監督に、岡田武史がなった時、「今回の日本代表はかなり成功する」と予言した。世の中のサッカー専門家という人々、マスコミなどを挙げて、岡田蔑視の嵐だった。この時の私の文章は「日本チームはベンチャーになる。ベンチャーが一丸になれば必ず、かなりの成功を収める」だった。
今の日本チームは、脚力が弱いのに「個の力」などというガラにあわない戦術が正しいようなムードだ。この雰囲気は、太平洋戦争前の、「相手を低く見る、思い上がる、口先で自分を大きく見せようとする」という遺伝子を思い起こす。大口をたたけば力が出るということはない。
ベトナムの人たちはしなやかで、パワフルで、優しかった。
〔写真説明〕上は今回の写真。バイクの数がすごかった。観光はタクシーが一般的だが、街の人はバイクで移動している人の方がずっと多い。そしてバイクは家の中に置く。玄関の主がバイクだ。それに4人乗りの家族がいた。しかしマイカーも増えている。
下の2枚は2000年6月7日、ホーチミンサイゴン)中心部でも観光客のアシはシクロだった。95年頃には、これに二人乗りだった。この時バイクに5人乗りの家族を見た。