ないものをねだるよりも、あるものをうまく生かそうと思って──青学・吉田裕也

これが「オチコボレ流」のコンセプトだ。つまり人より落ちこぼれていると思った時、嘆いていても仕方がない。自分にある愚直さを生かす以外の方法はない。そう思ってやっていくと、なんとか続く。

「流」というのは、自分の態度、考えを示すからだ。「俺はもっとできるんだ。不遇だ。」と嘆くとつらいだけだ。

地域づくりの仕事でも同じことを考えていた。

以下は吉田さんの考えを、ニュースから引用。

 「自分に何ができるかと言えば努力することしかなくて。ないものをねだるよりも、あるものをうまく生かそうと思ってここまで来ました。今年に関して言えば、監督に止められるくらい練習も積めた。間違った方向には進んでいないという確信があったので、これまで黙々とやってこられたんだと思います」

 小学3年生の持久走でビリから3番目になったのが、陸上を始める切っ掛けだった。当時、好意を寄せていた女の子が「足の速い男の子が好き」と話しているのを聞き、一念発起して走り始めた。その彼女が今回の走りを見て連絡をくれました、とややはにかんだ様子で話す。

 「昨日の走りを見てくれたみたいで、彼女からLINEをもらいました。(付き合ってるの? )そういうわけではないですけど、嬉しかったです(笑)」