7 宮崎の種雄牛が問題になっているが

 我が家の前のマンさん(万造)家に、種付け雄牛がいた。大柄で気の荒い牛で怖かった。集落のはずれの所に種付け場(ナカツケバといっていた)があって、そこの木枠の中に雌牛を入れて、尻尾を前の方に引っ張って止めておき、それに雄牛が乗っかかるのである。
 子供は見に行ってはいけないことになっていたが、中学くらいの子が2−3人で見に行った。、隠れて見つからないようにして、少し離れたところから見ていた。
 しばらくすると獣医が、全頭人工授精をするようになった。
 しかし、飼育農家にとって受精が上手くいくかどうかは、大変な問題だった。受精しても受胎しなければ仔牛は生まれない。生まれないと、かなりの収入が見込めなくなる。獣医は全く同じだと言うが、受胎が上手くいかないときは、マンさんに一杯飲ませたりして、在来の種付けを頼んだりしていた。
 宮崎の口蹄疫問題を聞きながら、種雄牛について、いろんなことを思い出した。
 何となく気になっていることは、?人工授精の繰り返しだけでやっていて、全く問題はないのか、?ひ弱になってはいないのか、?脂身の多い肉質ばかり求めて、血糖全体が病気に弱いのではないか、である。