自分の身体・もう一つは水虫の経験

1990年ごろのこと。中古集合住宅に入って、ダニがいたらしく、皮膚疾患が悪化して、体中が真っ赤になり、毎日皮膚科に通っていた。
当時ステロイドの弊害論が強く、自分でもずいぶん気にしていたが、梅棹先生の眼が見えなくなったときに、「ステロイドを眼に注射するんですわ」と言っておられたので、少し落ち着いて考えることにした。
一般に「薬は毒である」ということを気にしない人が多い。「毒を以て毒を制す」が治療なのだが、薬はいいものだと思っている人がいる。
私は割り切って、最初の第一回目の時に医者の注意より少し多い目に塗ることにした。それで落ち着いてきた。
その時足の指の間の水虫になっていたが、それは治らなかった。たまたま日経新聞の夕刊に水虫を完治させる“飲薬”が認可された、という記事が出ていた。
その記事をもって皮膚科に行き、これを処方してくれと頼んだ。先生は「実際にはまだ入らないですよ」と言っていたが、「とにかく確かめて取り寄せてくれ」としつこく頼んだ。
呑みはじめて3〜4日で効いているのが分かり、一週間せずに足がきれいになった。何十年間に苦難が消えた。これほど見事な効果は、他に知らない。