70年前の天文少年

今朝5時前ごろ、オリオン座流星群を見ていた。30分ぐらい見ていたら、オリオンの4角形の赤い星ベデルギュースの左上あたりで、弱い流れ星を2~3見た。
そのすぐ後に、ベデルギュースやリゲルより明るいぐらいの光が、同じあたりで一瞬見えた。これは流れなかった。しかし流れ星だと確信した。おそらく私の眼の方向へ(地球の方へ)流れたのだと思う。流れ星を探しながらオリオン大星雲のあたりや、‟すばる“や、シリウスなどを見ながら70年ほど前のことを思い出していた。
天文少年だった。小学校5〜6年生ぐらいだったか、確実な記憶はないが、接眼レンズと対物レンズのキッドを、年末に兄が送ってくれた。対物レンズ側の筒を作る材料がなく、やっと蔵の中で見つけた「反物の筒」を活用し、接眼レンズは小さい厚紙を巻いて作った。
最初に見たのは月のカルデラで、寒い雪の中で震えながら感動していた。そして冬の空で最もきれいなシリウスやオリオンをいつも眺めていた。
もう一つ、1997年に九州で見たヘールボップ大彗星のことも思い出した。これはかなりの難物で、事務所の若い人に云っても、誰も外を見ようとしなかった。こんな大彗星に関心がないということに我慢ができず、天神の事務所から家までクルマを取りに帰って、ワンボックスカーに何人かを載せて、博多港の埠頭の先の星が良く見えるところまで運んだ。
若い連中は、「ほうき星を見て何があるんだ」というが、無意味なことに関心を持つことが好奇心だ。若い連中の「落ち着きの良さ」にいらいらした。