今年のノーベル賞は、痛快で面白い。

ノーベル賞のニュースが二日続いて、その2件を聞きながら「えらい違いだな」と思った。
大村さんは、シコシコ自分で稼ぎながら研究を続けてきて、巨大なアフリカの病魔と闘った人だ。翌日の物理学賞の梶田さんは、国のお金で巨大な設備を作って、成果を上げた人だ。
私はもともと宇宙のことなどに興味を持っているので、ニュートリノなどに関心が行くのだが、今年のノーベル賞には、大村さんと梶田さんのバックグランドに関心が行ってしまった。
大村智物語」という本を買って、まず先に、「第5章・独立採算と新しい病院の建設」から読み始めた。この見出しは少し言葉足らずだ。本当は「研究室の自立経営と……」と書かないと十分にわからない。
この章は「突然言い渡された研究室の閉鎖」という小見出しから始まっている。大村さんは、研究受注の営業を始め、受注した研究費の12%を管理事務経費として出しながら研究成果を上げていったのだ。「オチコボレ流」経営の神様みたいだ。
梶田さんも素晴らしいが、大村さんのしょぼくれていて、凄い仕事ぶりに感激した。
ついでに触れると、梅棹忠夫さんが「研究経営論」に興味があり、経営者の気分でおられた。お会いした時には、しょぼくれ「計画コンサルタント」の経営者として議論させていただいた。(このことは、2010.12.13のブログに書いている)