日本伝統教は多神教であり、他者を否定する一神教ではない

相撲道の考えも同じだ。“立ち合いの考え方”からして「相手と合わせて立つ」という原則は、相互信頼に立った‟たたかい‟である。相互の戦いの舞台になる土俵を塩で清めたり、一礼してはいることなどは、多神教である。すべてを肯定する多神教は、われわれ人間が自然の一部であることを喜ぶ「素直さ」を持っている。
「他者の肯定を前提とした闘い」こそが相撲の原点で、手を抜いたり、力を抜いたりするのは相手に対する冒涜だといえよう。(1月5日)