天皇制、平成天皇、ハイヒール⑤ “統合”の象徴の目線

歴代天皇で初めて、床に膝をついて、同じ目線で避難民を見舞った(1991年7月)。
長崎県雲仙普賢岳噴火の際に、床に膝をついて避難民を見舞われた。膝をついて被災者と直に話をするスタイルは、今上天皇が皇太子時代にはじめたことであり、それまでは天皇が国民の前で膝を曲げることはありえなかった。
この新しくはじめられたスタイルは、その後いよいよ定着し、自然な空気を作り出している。皇后陛下や皇族も被災地慰問の際にはこれにならっている。「座って、同じ目線」と云う形は、日本独自の形だ。
私は「男女同権」「基本的人権」「同じ目線」が"統合の象徴”の主張になっているように思う。このスタイルを次の天皇にも受け継いでほしいという気持ちが、今回の退位希望に表れていると思う。
話は全く変わるが、私の事務所で事務を取り仕切っていた女性が、「結婚式に出て一言話をしてくれ」と云った時、「明日からは、もうハイヒールは履けないなあ」と云った。「気になるの」と云ったら、「ほとんど同じくらいの背なんですけど」と云った。
皇太子と皇太子妃が並んで撮られた写真が新聞に載ると、その時の彼女の言葉を思い出す。ペアスタイルが似合うような写真がいいと気になる。