日本人の心情の年齢断層

この集落の隣組の組長をしておられるSさんが来られて、初めて少し話し込んだ。昭和16年のお生まれだそうで、私は11年だと告げた。少し雑談を続けているとき「11年生まれだと戦争中のずいぶん苦しかったことを覚えているでしょうし、我々以降の世代と感覚が違うでしょう」と言われて驚いた。
彼の意見は、「物心がついてからは、酷くひもじいとか、苦しい世の中とか言ったことについては覚えていない」と言われた。こういう言われ方をしたのは、初めてだったのでかなり驚いた。
私自身は、日本人の世代間の断層が、昭和15年生まれ前後にあると思ってきている。このようなことには、当然のこととして個人差がある。例えば、藤原正彦氏は18年生まれらしいが、満州北朝鮮を過酷な条件下で過酷な帰還を経られているので、「戦争ものごころ世代」に属しているようだ。
と云うわけで、私にとって「戦争ものごころ世代」以降、団塊世代以後の人たちは、別の日本人に見える。