東京・築地市場問題②

1975〜80年頃だったかなと思うが、都市再開発コーディネーター協会を作ろうという相談で、浜松町から御成門のあたりのホテルで、よく泊まった。「面白い宿がありますよ、とたれかに教えられて、芝公園の中に、こそこそと入るといった感じで少し入ると、昔風の商人宿のような和風旅館もあった。
東京の都心で緑の囲まれた和風旅館に泊まるということが「カッコウイイ」と云う気分がして、できるだけそこに泊まるようにしていた。食事も普通の田舎旅館のような夕食と、朝の食事もついて宿泊費もホテルより安いし、まさに東京・江戸田舎に泊まるようで、気に入っていた。
そこの予約が取れないときは、少し高くなって損な気分だったが、芝パークホテルなどに泊まった。ここには江戸田舎朝食のようなものは一切ないので、朝6〜7時頃「築地で食べられないかな」と思って築地市場に行った。タクシーに乗って「築地」と云うと大きい入り口まで行って「ここまでです」と云われて降りた。そこからのこのこ入って行ったが、門衛さんは何も言わなかった。
正面の広い入り口から入っていくと。築地市場で働いている人が利用するための食堂があった。結構割安でうまい「握り寿司定食」と小ビンのビールを注文した。見ると全部の客は、働いている人ばかりのようだったが、食べていると欧米系の外国人の男女が3人入ってきた。私がここで食べていることがそれほど違反ではないらしいと思った。実のところ、「築地で食べる」と云う話が「場外の店」のことだと知らなかったのだ。
食事の後で、セリをしているところを覗きに行ったが、部外者は私を除いて、外国人が数人いただけだった。
その後、芝パークホテルに泊まるときは、朝飯は築地に行くことにした。2〜3年後だったか、場内に一般客が入ると邪魔になるという話が出だした。日本人は場外に行くようだが、観光外人は場内に入ってしまう。
確かにターレーが急ぐ時には邪魔になると思う。とはいえ「セリの見られない市場なんて」と云うことでもある。悪いと思ったが90年ごろ、九州のよかネットの所員を10人ばかり連れて行った。所員旅行としてTDLとのセットだったと思う。どちらも所員の要望だった。