天皇制、平成天皇、ハイヒール④ 仕事の原点は?

 平成天皇昭和天皇の立ち位置で、最も違う点は「男女同権」ということと、「基本的人権=人権平等」と云うことだ。もちろんこの順序は逆に言うべきかもしれないが、現実的には「男女同権」が先だったのではないか。私はいろいろな活動の場面の天皇の態度を見ていて、「新しい天皇制」を切り開いていく原点として、このテーマを持たれたように感じた。この感覚に、私は「すごい」と思い、共感していた。
このリスキーなスタートに当たって、天皇皇后両陛下が二人でどれだけ話し合われたかわからないが、「二人で」という取り組みについては妥協されなかったのではないか。「国民統合の象徴」などと云う仕事は、全く分かりにくいが、平たく言えば国民に向けた仕事は、「共稼ぎ・共同仕事・ペアルック」で勤めようということである。
もう一つ伝統を受け継いだ仕事として「宮中祭祀」がある。この伝統は変えない。
いずれにしても、だれも責任を取ってくれない仕事のスタイルを、発明していくという根性が、すごいと思えた。どんなことでも、誰でも「リスクを取ろうとしない」人間は尊敬されない。
このような受け取り方については、今まで、家の外では誰にも話したことはないが、このように感じていたのは80年代からである。
そして、1991年の島原普賢岳火砕流被害者へのお見舞いの時、「膝をついて同じ目線で話しかける」というスタイルを取られた。大方は、このスタイルに驚くと同時に共感もした。両陛下も、咄嗟の仕種であったと思うが、これが状況にはまっていた。このニュースを見て「新しいスタイルを確立された」と感じた。