縄文時代の煮物土器は世界の大発明

 日本の文化・科学のルーツは、縄文時代の煮物用土器だと思っている。下が尖った縦長の土器で、たき火の中に刺して周りの熱で煮炊きしたのだろう。
これは世界初の発明かもしれない。煮物という技術で、食べ物の対象が広がり、食材の蓄積ができるようになったことで、労働生産物の貯蔵ができるようになり、人間の再生産のユトリが生まれた。この煮物文化は、現在の和食の元祖でもある。
ついでにもう一つ言うと、過去の労働の産物を乾燥などによって蓄積しておいて、焼くだけでなく煮炊きによって食べやすくするという技術は、貯蔵の飛躍的拡大につながったのではないかと思う。これは経済活動の飛躍的拡大であり、資本蓄積(今日だけでなく、明日・未来のための食糧の蓄え)・経済意識・経済学的思想の萌芽とみてよい。