“ブッツケ文化教”の人々とお別れしよう

「このイカリをどこにぶっつければいいのか」と、野球の天才のような人の息子である有名タレントが云っていた。
事情はこうだ。テレビの画面には、韓国の沈没船で、救助中のヘリコプターからの写真には、窓を毀そうとする乗客たちの動きが見えていた。それを見た有名タレントは「写真を撮っているカメラマンは、なぜこの状況を対策本部に伝えないのだ」と怒った。彼は、その怒りを誰かにぶっつけたくなったのか、韓国民がぶっつけるべきだと感じたのか、やにわに大声を出した。
このテレビ局は、どちらかと云うと、“イカリぶっつけ力係数”の高い局ではあるが、もう少し品と胆力のある放送ができないものか。
東北の大地震で示された、世界中が讃嘆した「日本人の心と表現力」を、少しは学んでほしい。
とにかく、消費税が上がるというと「この怒りを」、雪の除雪が進まないというと「この怒りを」、この夏暑くなると「この怒りを」、などとやっていると忙しくて草臥れるのではないか。
なんとなく、感覚的な感想ではあるが、先の大戦で腹が減り、ひもじい思いを感じた年齢層以下の人たち、つまり戦後にひどい時代に、物心がつく年頃になっていなかった、現在72〜3才以下の世代のように感じる。