8月12日の午後4時過ぎに、桜島にいた

18日の16時過ぎに桜島が大噴火したというニュースに驚いた。12日の午後4時ごろに孫と行った時には、タクシーの運転手さんが「夏はたいてい鹿児島の市街地に灰が降るのに、今年はこちらには全く来ていません」と云っていた。「本当はね、ホテルの辺りもすごい灰がたまっていることがあるんだよ。その辺の灰色の濃い土は、その灰なんだよ」と、孫に補足説明をしなけりゃならんくらいだった。
今回の噴火も、5000メートルまで上がったといっているが、大したことはなさそうだ。テレビのキャスターとかいう人が「喘息に影響がある」と少し勝手なことを言ったので、少し私の体験を書く。
10数年前の夏だったか、仕事で鹿児島に出かけ、空港バスで市内に向かった。たまたま前の座席に乗っていて、空港のある台地地域から市街地の方へ向かった時、鹿児島の市街地が少し灰色が勝った雲海に沈んでいた。「運転手さん、あれは何ですか」と尋ねたら、「2〜3日前から降っていましてね」と云った。私は「桜島の火山灰ですか。あんな灰の中へ入っていくのですか」「いや市街に入ったら気になりませんよ」と云った。
市街地を何か所か見て回らねばならんので、タクシーに乗った。と云っても一番の気がかりは昼の飯をうまくて安いところで食べたいということだった。尋ねると「それなら魚市場の食堂がいいです」と云った。「ところで運転手さんはいつからここでタクシーに乗っておられるのですか」と情報を確かめる意味で聞いた。彼は急にあわてて「エッなんですか」といったので、「関西はどこですか」と聞くと、「エッわかりますか、標準語で話しているんですが」と言い返した。
彼は堺方面に住んでいたのだが、奥さんが喘息に苦しんで、「鹿児島に帰りたい」と云ったのでこちらでタクシーの運転手になったのですと云うことだ。「こんなに灰が降るのに喘息にはまずいのではないですか」と聞いたら、「それが、こちらに着いた日からピタリと治って、全くでなくなったんですよ。喘息と灰は別物らしいです」と話した。
速い目に魚市場の食堂に行って、首折れサバの刺身定食を食べた。アラのいっぱい入った味噌汁もついていた。以降、首折れサバの刺身が、私の大好物になっている。