歎異抄

法蔵館書店で、何の気なしに手に取って立読みを始めたら、千年前の文章がほとんどそのまま意味が通じてくるようだった。
20歳以後、何も勉強したこともなく、知識が増えた感覚もなかったが、読解力はあがっていたのだ。 
「をのをの十余カ国の境を越えて……」の条や、「……自然のことわりにあいかなわば……」とか、9条の「親鸞もこの不信ありつるに……」など読んでいるうちに買う気になっていた。
それ以後、歎異抄は何冊も買ったし、手元から離したこともない。この頃、風呂に腰から下だけ入って、大きい声を出して読んだりしている。