福島原発レベル7の意味

 テレビで原子力保安院とか言うところのスポークスマンが、あの嫌らしいニヤニヤ顔で、「レベル7と判断した」といった。ついで「といってもチェルノブイリより遙かに少ないんですよ」という。これは役人の詭弁だ。彼らのねらいは、将来基準論議になったときの「言い逃れ」だけしか関心がないのだ。
 この人の発言は、「(自分の考えは一切話さない)報告を聞いている、連絡を受けた」ばかりだ。レベル7と発表する意味は、「厳格な判断をしたでしょう」と、言い逃れをするためである。「レベル7といっても、たいしたことはない。チェルノブイリほどの心配はない」といって、「住民に配慮した」という顔をを売るためだ。 
 何のことはない、“保身と誤魔化し”のみだ。
 保安院の記者会見で不思議なことがある。「放射能が漏れているとは聞いていない」「危険だという報告はない」という言葉ばかりだ。それに対して記者が「危険かも知らんがそれは聞いていない。で、あなたは心が安まるのか」と追求はしない。
 現場では“命がけ”で原発の管理をしている人たちがいるのに、役人も、記者も「東京まではまだ来ないだろう。危険になったら逃げるから、自分は安全だ」という点で同じ仲間なのかも知れないと感じてしまう。