じねん思想と日本の大相撲(180120)

 「見合って、見合って、ハッケヨイ」は、“お互いに相手に合わせて”ということであるから阿吽の呼吸で立つわけで、相手より早く立とうという態度は、相手を尊重していないので日本の相撲道には合わない。これらの問題に対する白鵬の態度はおかしい。
ハリテ・カチ揚げ禁止をルール化すればよいという人がいるが、ハリテそのものが問題ではなくて、相撲のプロセスの中で出るのは、別に問題はない。「見合う」という相互平等の精神を尊重していればよいのだ。
何年か前に、白鵬が、双葉山大鵬の相撲を誉めていたが、この両横綱はともに行司差し違えで連勝記録を失っているが、不平を言い立てたりはしなかった。白鵬もそれをよしとしていたように見えた。もともと判官贔屓である私は、当時あまりの日本人力士贔屓に対して、白鵬びいきだった。
“お互いに相手に合わせる”ということは自然体のことで、抜け駆けをするのは卑怯だという日本精神のもとになっている。相手に合わせて同時に立ち上がるということは、ルールではなく大相撲の前提なのだ。日本人かモンゴル人かは関係ない。モンゴル出身の力士に対して、否定的に発言する人は不公平で、相撲の精神には合わない。