8月15日は、平和主義大安売り記念日

毎年、8月15日頃になると、日本中が“平和主義”一辺倒になる。きわめて不気味な世の中だ。平和さえ唱えれば、みんなが幸せになれるという世の中だ。確かに戦後はそうしてきたし、一見平和だったように見える。
その間に、外国の政府による侵入者が、日本に不法上陸し、国内にアジトを作り、日本人を拉致していったことを、多くの日本人が気付きもしなかった。
それどころか、在日朝鮮人の帰還運動では、日本のマスコミが扇動を繰り返し、北朝鮮を美化し続けた。私もそれに乗って、新書本を読んだりしていた。
しかし、さすがの私も拉致問題は気になって、ニュースには関心を払っていた。1985年頃だったか、鹿児島の吹上浜の方へ行く機会があって、市役所で話を聞いていると、拉致問題の話が出た。
その時も「はっきりした話ではないんだが……、言いにくいんだが……」と言う感じで、小さい声で話してくれた。私はお願いして、拉致のウワサの海岸へ連れて行ってもらった。「こんなところで若い男女が拉致された」と言うことが信じられないぐらい明るい海岸だった。あれから20年もたつ。市川修一さんと増本留美子さんが拉致されたのは1978年8月のことだから、私が海岸に立って海を見た時より7〜8年も前のことだったわけだ。
今から考えてみると、募金や署名ですむ話ではない。私たち日本人がすべて、「日本人を守る。そういう危険な外国の侵略に対して、毅然として自立する」という気概に欠けていたのではないかと思う。