「ダイハーン」と刺すような眼で、睨まれながら怒鳴られたサイゴンの街角

1980年代の後半ごろだったと思うが、同志社の先生に誘われて、サイゴンアンコールワットなどにいった。ベトナムでは「ホテルサイゴン」と云う安いけれどもさっぱりしたホテルに泊まった。
ちょっと街を歩こうと思って歩いていたら、車道幅員20メートルぐらいの向こう側から、「ダイハーン」と云う怒鳴り声が聞こえた。そちらを見たら、怒りを私に向けていることは確かなようだ。最初「ダーッ……」と聞こえたので、何がなにやら分からないが“憎しみと怒り”の感情は分かった。怖くなってホテルに引き返して、同行のひとに聞いてみた。
南ベトナムの人たちはね、ベトナム戦争の時、最も残酷な殺戮をしたのは韓国兵だったと、憎しみを感じているのです。あなたは『大韓=ダイハーン』と間違われたのですよ」と説明された。
私は日本海側の生まれで、「アメノヒボコ」系の氏神の村だから、弥生系の体つきかもしれない。が、韓国では韓国人と間違われて「道を聞かれる」ようなことはなかった。
帰ってからベトナム戦争の韓国兵について調べて、ベトナム人の怒りを納得した。もし気になる方は、ネットで「ベトナム戦争韓国兵」を見て、何が信用できるか自分で判断してください。