山本七平 2

山本七平は「日本教」と云っている。少し間違った。イザヤ・ペンダサンが言っている。彼は、初めにペンダサンに言わせてしまったので、本人の著作には「日本教」と云う言葉は少ない。「日本教キリスト派」だとは言っているが。
日本教論”で一番面白いのは、「日本教について」(文春文庫)だと思う。その中で、日本人の若いカトリック教徒が、「私は6日間はただ忙しき働いており、7日目に教会へ来て初めて信徒であると自覚するような信仰の浅い者ですから……」と云ったら、神父が激昂して「今の言葉は主に対する裏切りの言葉」と云い、「これ以上傲慢な言葉はない」と云った話だ。
私も思うが、彼に言わすと日本人はベースに日本教を持っているというのだ。もちろん人によって時によって、天秤棒の支点が移動して、実体語と空体語の間を移動しているという。
私の場合は、実態から離れていると不安なので、「空体語」の仕様がかなり少なくなってしまう。そんな生き方をすると、妻にもバカにされる。