同窓会三つ

同窓会の案内はがきが、三つ届いた。
第一便は大学の福岡近辺在住者を対象にしたもので、年代の幅は広い。場所は福岡市内の中華料理店で、距離的には近いので、誘ってくれる人がいて何度か出た。
次は高校で、大阪まで来いというものだ。こちらにはほとんど行ったことはない。
三つ目が小学校のものだ。小学校とは言うが、昭和17年(1942年)春幼稚園に行きだしたのが始めで、中学校まで10年間、ほとんど全員と一緒だった。この10年間は、60〜70年たった今も続いている。
この三者の違いは面白い。大学、高校は知らない人にも会う。そして名刺を出す人がほとんどだ。肩書のある名刺が大事なのだ。私は名前と住所、メールぐらいに、「オチコボレ流で暮らしています」ぐらいしかない。「今は一応子会社の役員というこで……」などと言ったり、娑婆の生臭さがにおう。
サバも牛肉も好きだが、わざわざ古くなった魚を好んだりはしない。九州で一番うまいものは、サバの刺身だ。小学校の同窓会は、肩書や、宣伝でこねまわしたようなブランド名もないから、生臭さがない。
会って、食べて、少し飲んで、昔話をして、病気自慢をして、気分良く寝る、それしかない。今の肩書や名刺など誰も出さない。思い出してみると、第一回の同窓会は、中学卒業の翌年の盆だった。何となく声が出て、私が母親に頼んで我が家でやった。昼前に集まって、夕方までだったが、ケンカをするくらい元気だった。
今年私が出席するのは三番目だけ。一番遠距離で時間もかかるが、気分は一番近い。