七夕の日だけ現れる銀河という話

「天の河がキレイだなあ」と、空を見上げながら私が言ったのは、20年ほど前の、8月下旬の湯布院の8〜9時頃。すると、近くから「タナバタでもないのに、天の河なんて、糸乘さんは変なことを言いますね」と、女の人の声が返ってきた。
その日は、SASの会というに集まりで、東京や関西などから湯布院に来ていたグループの一部が、十数人で夕食後の散歩をしていた。
私は、あまりにも突拍子な反応に一瞬返事に詰まったが、「銀河系はね、地球と比べるとあまりにも大きいのでね、タナバタ以外の日デモね、隠しきれないので、見えてしまうのですよ」と返事をした。
「まあ変なことをいう人」と、云われた。
このメンバーは、ほとんどが50才以上の年令だった。50才を過ぎても、天の河を見るのが初めての人がおり、見えていてもそれが「銀河」だと信じない人の住む国がある。それが日本だ。