ケンタとジュンとカヨちゃんの国

 若い者には不満があるのだ。とにかくぶっつけるのだ、と反抗しているだけの映画だと思った。反抗とか破壊とかは、その中に戦いがあるか、その先に何かが見えると云うことでないと、「単なる甘え」に過ぎない。
 6月にみたのだが、少し期待していて、はぐらかされた気がした。
 「不満は誰かにぶっつけていいもの」という社会orマスコミ・文化人の思想は、いつ頃から日本にとりついたのか「この不満をだれにぶっつければいいのか」というニュースが、テレビの日常。
 そこへ政治家や役人が出てきて「それは実に大変な事で、何とかしなければならん」という。
 結果、財政赤字が増えて、しゃべった人は自分の孫・子いじめに荷担する。
 この映画には人間が経て来た歴史を見る視座がない。甘えだけあって、飢えや恐怖がないのだ。