「行政がゆがめられた」とはどういう意味か

 「行政がゆがめられた」と居丈高にわめいている前文部科学事務次官という人がいる。この人の言い分は、「行政をやるのは行政官僚であるから、政治家は関与するな」という考えらしい。
 これによく似た話を覚えている。前の戦争で闇雲に無茶な戦争を推し進めた陸軍省海軍省などの官僚の態度だ。
 戦争に負けたのは小学3年生の時だったので、戦時中の小学3年生にはよくわからなかった(戦後、5〜6年生になったころに、いくらか補った知識かも知らん)が、軍の偉い人(高級官僚)が「国体をゆがめることは許さん」とよく言っていた。
 この国はその人たちに乗っ取られて、借金をどんどん増やし(国債を発行し)て国民に押し付け、貴金属や、ナベ・カマなどまでも供出させ、国民を苦しめた。日露戦争の時の国債は一般国民に押し付けたのではなく、外国に買ってもらっていた。
 そればかりではない。徴兵によって若者を集めて、食糧の準備もせずに中国や南洋方面の戦線に送った。戦で死ぬよりも、病死や餓死が多かった。
 インパール作戦を立て、多くの反対を押し切って何万人もの日本人を殺した軍司令官は、それらの兵隊を見殺しにしたうえで帰国し、戦後高級軍人としての恩給をもらって暮らした。
 また国民から取り上げた貴金属などをパクッタ人たちもいるらしい。
 行政はチョイチョイゆがめてもらいたい。ゆがめられなかった時は反省して、国民に謝ってほしい。外国に謝るより先に必要なことではないか。