1.オチコボレとは

<一口で言えば>

 世間の正常とされているレギュラー路線、レールから落ちこぼれた人。オレは世間の定義ではなく“オレの道を行くぞ”と唸って、我が道を行く人も、積極的なオチコボレである。

 ずっとレギュラーでいる人、途中でレールから外れてオチコボレになっていく人、初めからオチコボレの人、途中から上流のレギュラーになる人(たとえば玉の輿みたいなモノもあるかも?)もいる。

 これは時代によっても違う。江戸時代は、武士のみがレギュラーの対象であったが、幕藩体制の崩壊によってそれらもオチコボレの立場に放り出された。逆に、太平洋戦争の時期は、極めて少ない保証で、命をも提供する強制動員をされ、オチコボレでいることは許されなかった。敗戦によって国全体が落ちこぼれたので、強制的にオチコボレにされた。

 したがって、定義は双方の立場でする必要がある。

<レギュラー側から見ると>

 既存の安定した道を歩ける人、どの席を占めるかは競争や門閥も影響する。一応三段階に書いてみる。

a1、エリートコース

 能力もあり、努力もするのでコースの一番いい席を占める

a2、努力家で運の悪いケース

 運というものは摩訶不思議なものです

a3、レールに乗っていても、全部安泰とはいかない。寿司づめで立ちっぱなしも

 ある。さらに、デッキにぶら下がるようなこともある。

<オチコボレ側から見ると>

コースから外れてしまうと、道を自分で開かねばならない立場になる。

b1、確信犯的オチコボレ これはa1よりすごい。たとえばイチローはレギュラーコースなど、一顧だに与えない。立川談志は高校1年中退で小さんに弟子入りし、その弟子立川談春も高2中退で談志に弟子入りしている。しかし、すべての弟子がb1になれるわけではないし、b2もなれないかも知れない。リスクが極めて大きい。

b2、あきらめ自覚型オチコボレ

 人並みにやっているつもりだったが、余計な事をしてレールから外れるケース。高校や大学ぐらいは卒業しても、何をやったらいいかよく分からず、ボーとしているうちに落ちこぼれる。気がついてみるとレールから外れているし、居直ってレール外で生きていく決意をする。ここでオチコボレとしての自覚を持ち、工夫をし、他人と違う仕事の仕方を考えて働く。

b3、なんとなくオチコボレ

  オチコボレの自覚もしないオチコボレ。