北朝鮮による日本人拉致問題

拉致問題は気になって、ニュースには関心を払っていた。1985年頃だったか、鹿児島の吹上浜の方へ行く機会があって、市役所で企画課の人に地域の現状や問題について取材していた。話を聞いていると、拉致問題の話が出た。その時も「はっきりした話ではないんだが……、言いにくいんだが……」と言う感じで、小さい声で話してくれた。
私はお願いして、拉致のウワサの海岸へ連れて行ってもらった。「こんなところで若い男女が拉致された」と言うことが信じられないぐらい明るい海岸だった。あれから30年もたつ。市川修一さんと増本留美子さんが拉致されたのは1978年8月のことだから、私が海岸に立って海を見た時より7〜8年も前のことだったわけだ。
今から考えてみると、募金や署名ですむ話ではない。私たち日本人がすべて、「日本人を守る。そういう危険な外国の侵略に対して、毅然として自立する」という気概に欠けていたのではないかと思う。
最近、拉致問題解決の最後の機会だと言って、交渉がなされているが、またしても北朝鮮流の言い逃れや取引が始まっている。
この際、「なぜ拉致された人がいるのか」という根源的な問題に取り組まねばならん。アメリカなら、すぐの海兵隊を送って、取り返してくるだろう。
それはできないまでも、「他人の家に入ってきて、家族の一員を拉致していくような「安心のできない家族」の汚名を返上しなければならない。
とにかく、海上防衛と出入国の管理は、もっと強化してほしい。