「絶対バレない、脱税の仕方教えます」と言われたことがある

 1970-5年頃だったかな。商売柄、役所の仕事が多い。となれば、裏金(帳簿にのせずに隠すお金)もいるだろうといって、教えてもらったことがある。教えてくれた人は、わが会社の経営実態が、分かっていたようだ。社長は“財界付き合いをする学者”という振り付けで、会社の実務には一切関心がなく、仕事先の役所の人にせびられると「チョット○万ぐらい」と私に振ってくるぐらいだった。

 少しの金なら、私の収入の経費を作って、税金は私が負担するようなことで処理していた。そんなことを見通していて、同業の先輩経営者が教えてくれた。

 「我々の業態だと、地方自治体からの仕事がある。その自治体の出納に『チョット都合で急ぐので……』とか言って領収書を持っていくと現金で渡してくれる。それは帳簿にのせなくてもいい。税務署は役所経由のお金については詮索しない。大蔵省が自治省の帳簿の確認などについて紹介することは出来ない、本省経由まで行かねばならんから」と云うことだった。

 私は面倒くさいことが嫌なので、少々なら「自分が損をする方が楽」なので実行はしなかった。

 新型コロナ騒動の中、「なぜ大学病院で、新型コロナの検査が出来ないのかということを考えていた時、『厚労省文科省に頭を下げることは出来ない』ということに気付いた。これは大変なことなのだ。上記の大蔵省と自治省の話と同じだ。40~50年経っているけど。